とびきりの夜にしたいよ

今日の君は最高だ

オタク1周年と『好き』へのハードルの話

 とにかく『好き』と言うことへのハードルが高い人生だったと思う。



 雪が降る中、近所の郵便局で年会費を払った日から今日でちょうど1年。
 宮近海斗くんのジャニーズ人生と、Travis Japanの歴史と、わたしのオタクとしての熱しにくく冷めにくい体質の、三方向から見て恐ろしく短い期間が過ぎた。

 きっかけは仲良しのフォロワーが唐突にTravis Japanにハマったことと、そのフォロワーにPARADEに連れて行ってもらったこと、そして2020 年1月17日に『Travis Japan「Dance With Me〜Lesson 1」「ジャニーズJr.祭り 2018」単独公演in横浜アリーナ』( https://youtu.be/UDB-_H_NIaI )を観たこと。
 『ジャニーズ不能Travis Japanで治った話』( https://aoaoc0.hatenablog.com/entry/2020/01/18/200137 )で詳細を書き殴ったので割愛するが、当時ジャニーズに夢も希望も無かったわたしは見事オタクとして息を吹き返し、今日までスキップでTravis Japanを追い掛けてきた。

 2020年、いろんなことがあった。
 いろんなことが起きたし、いろんなことがダメになった。悔しいことも、悲しいこともあった。どうしようもないことだった。

 2020年のTravis Japanは、本当に、本当にたくさんの媒体で会いに来てくれた。
 現場もあった。(尽く中止になり、その中でも唯一開催された虎者は見事に外れたが)虎tubeもテレビもラジオもあった。雑誌も山ほど出た。インスタもあるし島動画も更新してくれた。7月からはとらまるも自由更新になった。

 Jr.ってこんなに露出あるの?

 Jr.担が初めてどころか、「関ジャニ∞が好きなだけのオタク」だったわたしは事務所自体のことには疎いし、何が普通なのかもわからなかった。
 そんなわたしも、東京五輪の仕事、Mステ単独出演、アリーナツアー、ソロコン……と続けば「あ、これ、おかしいぞ」と気付く。
 めちゃくちゃ会える。今なにをしているかわかる。仕事が途切れない。ひとつ舞台を終えてから次の舞台が発表されるまで祈るような気持ちでSNSを見ていた若俳オタクを経由してるわたしは、継続して仕事があることにただただ驚愕していた。


 とにかく『好き』と言うことへのハードルが高い人生だったと思う。
 原作を読破しある程度が頭に入っていないと漫画を『好き』だと言えなかった。出演舞台やライブ、接触イベント全てに行かなくては俳優を『好き』だと言えなかった。今も、虎tubeやインスタ、島動画にとらまる、雑誌テレビラジオ……全てに目を通さないと『好き』だと言えない気がしている。幸い情報を追うことに一切の苦を感じないわたしは、諸々の更新は楽しく追って楽しく噛み締めていた。
 東に投票企画があればTravis Japanやそのメンバーの名前を投票し、西に出演番組掲載雑誌があればお礼と感想を送り、南に新グッズがあればせめて自担くらいはと上限いっぱい注文し、北にげに恐ろしきなんちゃら大賞があれば泣きながら雑誌を買った。

 問題は現場だった。

 宮近くんは「息抜きのように好きでいて」と言ってくれた。けれど残念なことにわたしは、与えられているものを全て履修しないと『好き』だと言うことを申し訳ないと思ってしまうのだ。義務感ではない。『好き』なのに『知らない』ことが怖い。ただでさえわたしの鈍いアンテナはTravis Japanに気付くのに2020年までかかったのに、過去どころか現状にすら知らないことがあると思うとめちゃくちゃ怖い。
 全国ツアーでわたしが当たった公演は既に中止が発表された。今後どうなるかわからない。『好き』なのに、自分の知らない7人が存在することに耐えられるだろうか。
 この悪癖は、恐ろしくJr.担として相性が悪かった。
 本当は「良い」となりそうだが、いかんせんわたしはしがない底辺OLで、かつ私生活は収入も時間も100%自分のためだけに使える立場ではなく、Jr.担を本気でやるには環境も力も全く備わっていなかった。本格的に現場が始まってもチケットが確実に取れると思えるほどの財力も人脈も無い。それなりにチケットが取れない現場のオタクもしているが、そちらはかれこれ10年追っているのでありがたいことに友人知人のご厚意でなんとか現場に入り続けている。いつもありがとうインターネットフレンズ。以上言い訳と雑談。


 でも、Travis Japanが好き。宮近くんが大好き。その気持ちは全く消えることなく、まぁたった1年しか経っていないので未だに新規ハイなのだが、今日もこうやって意味のない言葉を書き散らしている。


 好きじゃなくなることよりも、好きなのに知らないことが増える方が怖い。2020年以前のTravis Japanを何一つ知れないことが悔しい。
 ただ、力無き厄介オタクは今日も細々と働きながら貯金し、日々供給されるTravis Japanの可愛さで生き長らえている。

 事務所を、Jr.を、取り巻く環境なんて所詮オタクにはよくわからない。先日のリリースを読んでもいまいちピンと来ないわたしは、Travis Japan7人の夢が叶いさえすればなんでもいいと突っ伏すことしか出来ない。
 現場を全通しても、一公演も入れなくても、わたしは明日もTravis Japanがいてくれるのかわからないし、おやすみしていたメンバーが今日から復帰することも知らなかった。うみちゃんおかえりなさい。どうかこれからも健やかで。
 知らないことは既に山ほどあるし、これからも山ほど増えていくだろう。その中でわたしは自分の求めているものと実際に手に入るもののギャップに折り合いをつけながらオタクをしていくしかないのだ。



 2020年、ほぼ日手帳をつけていた。
 正確には夏頃に唐突に「1月にハマったんだしほぼ日手帳にオタク事をまとめよう!」と思い立ち、既に過ぎていた数ヶ月分もまとめて、テレビ出演情報や雑誌の発売日、虎tubeの感想、島動画やインスタの更新まとめ……とにかくトラジャに関することとその時の自分の感想を書き散らした。
 はてブロ書いてる時点でお察しだが、わたしはとにかく文字にすることが好きなオタクだ。書きたいことはたくさんあったし、揺らぐ気持ちは書くことで落ち着いた。
 なのでこの文章は、自分のためだけに書いている整理整頓のようなものだ。こんな下らない文章を読んで自分の『好き』へのハードルを無理矢理上げる必要は無いし、Jr.担のくせに財力を言い訳にしてるオタクを蔑みたければ蔑めばいいと思う。
 この世にたくさんいる、そしてこれからも増えていくTravis Japanのオタクのひとりが、こんな文章を書いて、頑張って自分を納得させてるんだなぁと、出来れば笑ってほしい。


 2021年1月18日。わたしの好きは加速したままTravis Japanに向かっている。ほぼ日手帳も2冊目になった。たった1年という短い期間だったが、部屋に物は増えたし、You Tubeに課金するようになったし、ありがたいことにお友達も増えた。
 その全ては2020年のTravis Japanがくれたもので、2020年のTravis Japanに出会えたから得られた感動があった。『好き』と『知らない』の折り合いに頭を抱えながら、それでもやっぱり2020年のTravis Japanに間に合って良かったと、2020年12月31日、嵐の配信のエンドロールを見ながら心から思った。



 ド新規は今日も何をすればいいのかわからず右往左往しながら、家で虎tubeを回す端末に充電コードを差し忘れていないかを心配している。
 2022年1月18日は、今日とは違う気持ちで虎tubeを回せていればいいなと思う。そしてそのために、今年1年も悔いなく7人に『好き』と言えるオタクでありたい。

 Travis Japanよ、健やかであれ。Travis Japanのオタクよ、健やかであれ。1日も早く、わたしたちの生活必需品であるエンターテイメントがこの世界に帰ってきますように。

















 ゴチャゴチャ言ったがやっぱり現場には行かせてくれ………………………………………………………